5.08 得点の記録

<4.09-2015>

(a)得点

 3人アウトになってそのイニングが終了する前に、走者が正規に一塁、二塁、三塁、本塁に進み、かつ、これに触れた場合には、その都度、1点が記録される。

【例外】 記録されない得点

 第3アウトが次のような場合には、そのアウトに至るプレイ中に、走者(1・2にあたる場合は全走者、3に当たる場合は後位の走者)が本塁に進んでも、得点は記録されない。
  • (1)打者走者が1塁に触れる前にアウトにされたとき。(5.09a6.03a参照)
  • (2)走者がフォースアウトされたとき。(5.09b6参照)
  • (3)前位の走者が塁に触れ損ねてアウトにされたとき。(5.09c15.09c25.09d参照)

【原注】<5.06-2015原注>

 たとえば、3塁走者が、飛球が捕らえられてから、離塁して本塁を踏んだ後、離塁が早かったと誤信して、3塁に帰ろうとした場合のように、走者が正規の走塁を行って本塁に触れたならば、その走者のそれ以後の行為によって、その得点は無効とはならない。

【注1】

 第3アウトがフォースアウト以外のアウトで、そのプレイ中に他の走者が本塁に達した場合、審判員は、その走者にアピールプレイが残っているか否かに関係なく、本塁到達の方が第3アウトより早かったか否かを明示しなければならない。

【注2】

 本項は打者及び塁上の走者に安全進塁権が与えられたときも適用される。例えば、2アウト後ある走者が他の走者に先んじたためにアウトになったときは、そのアウトになった走者よりも後位の打者または走者の得点が認められないことはもちろんであるが、たとえアウトになった走者より前位の走者でも第3アウトが成立するまでに本塁を踏まなければ得点は認められない。
 ただし、2アウト満塁で、打者が四球を得たとき、他のいずれかの走者がいったん次塁を踏んだ後にアウトになったときだけ、その第3アウトが成立した後に三塁走者が本塁を踏んでも、得点と認められる。(5.06b3B【原注】参照)

(b)最終回の得点

 正式試合の最終回裏、または延長回の裏、満塁で、打者が四球、死球、その他のプレイで一塁を与えられたために走者となったので、三塁走者が本塁に進まねばならなくなり、得点すれば勝利を決する1点となる場合には、球審はその走者が本塁に触れるとともに、打者が1塁に触れるまで、試合の終了を宣告してはならない。

【原注】

 本項は、記述されているとおりに取り扱われるべきである。例外として観衆が競技場になだれ込んで、走者が本塁に触れようとするのを、または打者が1塁に触れようとするのを肉体的に妨げた場合には、審判員は観衆のオブストラクションとして走者の得点または進塁を認める。

【ペナルティ】

 前記の場合。三塁走者が、適宜な時間がたっても、あえて本塁に進もうとせず、かつこれに触れようとしなかった場合には、球審は、その得点を認めず、規則に違反したプレーヤーにアウトを宣告して、試合の続行を命じなければならない。
 また2アウト後、打者走者があえて1塁に進もうとせず、かつこれに触れようとしなった場合には、その得点は認めず、規則に違反したプレーヤーにアウトを宣告して、試合続行を命じなければならない。
0アウトまたは1アウトのとき、打者走者があえて1塁に進もうとせず、かつ、これに触れようとしなかった場合には、その得点は記録されるが、打者走者はアウトを宣告される。

【注】

 例えば最終回裏、満塁で、打者が四球を得たので決勝点が記録されるような場合、次塁に進んで触れる義務を負うのは、三塁走者と打者走者だけである。三塁走者または打者走者が適宜な時間がたっても、その義務を果たそうとしなかった場合に限って、審判員は、守備側のアピールを待つことなくアウトの宣告を下す。打者走者または三塁走者が進塁に際して塁に触れ損ねた場合も、適宜な時間がたっても触れようとしなかったときに限って、審判員は、守備側のアピールを待つことなくアウトの宣告を下す。

【5.08原注】

規則説明

 打者走者のアウトが1塁に触れる前のアウトの形をとり、それが第3アウトにあったときは、たとえ他の走者がそのアウトの成立前か、あるいはそのアウトが成立するまでのプレイ中に本塁に触れても得点は記録されない。

【例1】

 1アウト走者二・三塁のとき打者が安打したので、三塁走者は容易に本塁に達したが、二塁走者は本塁への送球でアウトにされて2アウトとなった。この間、打者走者は二進していたが、途中一塁を踏んでいなかったので、一塁でアピールされて打者はアウトになり、3アウトとなった。
 三塁走者は、〝打者走者が1塁に触れる前のアウトで、しかも第3アウトに当たる場合〟のプレイ中に本塁に触れたのであるから、その得点は記録されない。

【例2】

 2アウト満塁のとき打者はフェンス越えの本塁打を打って4人とも本塁を踏んだが、打者は一塁を踏まなかったのでアピールされてアウトになった。
 この場合、打者のアウトは一塁に触れる前の第3アウトの形をとるから、無得点である。

規則説明

 前位の走者が塁を触れ損ねたためにアウトにされた場合、正しい走塁を行った後位の走者に関しては、そのアウトが2アウトまたは1アウトにあたるときと、3アウトにあたるときとでは事情が違う。

【例1】

 1アウト走者一・二塁のとき、打者は場内本塁打を打った。二塁走者は本塁へ達する間に三塁を空過した。一塁走者と打者は正しく塁を踏んで本塁に達した。守備側は三塁に送球してアピールしたので、審判員は2塁走者に対してアウトを宣告して、2アウトとなった。
 一塁走者と打者の得点は認められる。

【例2】

 2アウト走者二塁のとき、打者が場内本塁打を打ち、2人とも本塁を踏んだが、二塁走者は三塁を空過したので、アピールによってアウトにされ、3アウトとなった。
 打者は正しく本塁を踏んではいるが、得点には数えられない。

規則説明

 前位の走者が塁に触れ損ねるか、飛球が捕らえられたときにリタッチを果たさなかったために、第3アウトとなった場合、後位の走者は正しい走塁を行っていても得点とはならない。

【例】

 1アウト走者二・三塁のとき、打者が中堅飛球を打ってアウトになり2アウトとなった。三塁走者はそのフライアウトを利して本塁に触れ、二塁走者も本塁への悪送球によって得点した。このとき三塁走者に対してアピールがあり、捕球前に三塁を離れたものと判定され3アウトとなった。
 無得点である。

規則説明

 塁を踏み損ねた走者または飛球が捕られたときにリタッチを果たさなかった走者に対して、守備側がアピールした場合、審判員がそれを認めたときにその走者はアウトになる。

【例】

 1アウト走者一・三塁のとき、打者の右翼飛球で2アウトとなった。三塁走者は捕球後三塁にリタッチして本塁を踏んだが、一塁走者は二塁へ向かっていたので一塁に帰塁しようと試みたが、右翼手の送球でアウトになった。三塁走者はそのアウトより早く本塁を踏んでいた。
 一塁走者のアウトはフォースアウトでないからその第3アウトより早く本塁を踏んだ三塁走者の得点は記録される。