7.08 走者アウト

目次

  1. 1                 7.08a ラインオーバーと走塁放棄
    1. 1.1                     (1) スリーフィートオーバー
    2. 1.2                     (2) 走塁放棄
      1. 1.2.1                 【原注】 走塁放棄以外の走者はインプレイ
      2. 1.2.2                 【注1】 走路とは
      3. 1.2.3                 【注2】
      4. 1.2.4                 【注3】 フォースの状態では走塁放棄を認めない
  2. 2                 7.08b 走者のインターフェア
    1. 2.1                 【原注1】 故意かどうか関係ない
      1. 2.1.1                 【注1】 打球を処理するとは
      2. 2.1.2                 【注2】 走者よりも守備が優先
      3. 2.1.3                 【問】
      4. 2.1.4                 【答】
    2. 2.2                 【原注2】 妨害が発生した場合の他走者の進塁
      1. 2.2.1                 【注】
  3. 3                 7.08c 触球
    1. 3.1                 【付記1】 一塁のオーバーランは可
    2. 3.2                 【付記2】 ベースが動いたとき1
    3. 3.3                 【付記3】 ベースが動いたとき2
    4. 3.4                 【注1】 四球でも一塁のオーバーランは可
    5. 3.5                 【注2】 触球後はボールを確実に保持
  4. 4                 7.08d 帰塁違反
    1. 4.1                 【原注】 ファールチップは帰塁不要
      1. 4.1.1                 【注】 帰塁しなければならない塁とは
  5. 5                 7.08e フォースアウト
    1. 5.1                 【原注】 オーバースライドは二塁、三塁のみ
      1. 5.1.1                 【問】
      2. 5.1.2                 【答】
    2. 5.2                 【注1】 フォースアウトの規定
    3. 5.3                 【注2】 触塁の取り消し
  6. 6                 7.08f 打球に走者が触れる
    1. 6.1                 【例外】 インフィールドフライ時の例外
    2. 6.2                 【原注】 二人の走者が打球に当たっても最初の一人のみがアウト
    3. 6.3                 【注1】 故意かどうかを問わない
    4. 6.4                 【注2】 塁に当たった後のフェア打球
    5. 6.5                 【注3】 塁に当たった後のフェア打球2
    6. 6.6                 【注4】 〝塁〟の定義
    7. 6.7                 【注5】 インフィールドフライ時、打球が走者に当たるとボールデッド
  7. 7                 7.08g 走者が得点しようとした時、打者が守備妨害
    1. 7.1                 【注1】 本塁における守備側のプレイとは
    2. 7.2                 【注2】 適応外事項1
    3. 7.3                 【注3】 適応外事項2
  8. 8                 7.08h 走者の追い抜き
    1. 8.1                 【注1】 安全進塁権施行中も適応される
    2. 8.2                 【注2】 常に後走者がアウト
  9. 9                 7.08i 悪意のある逆走
    1. 9.1                 【原注】
    2. 9.2                 【注】 打者走者の逆走
  10. 10                 7.08j 一塁オーバーランでの触球
    1. 10.1                 【原注】 タイムプレイ
  11. 11                 7.08k 本塁での空過
    1. 11.1                 【原注】
  12. 12                 7.08L 走者以外の攻撃側メンバーによる守備妨害

            7.08 次の場合、走者はアウトとなる(a)~(i)

                7.08a ラインオーバーと走塁放棄

                    (1) スリーフィートオーバー

 走者が、野手の触球を避けて、走者のベースパス(走路)から3フィート以上離れて走った場合。
ただし、走者が打球を処理している野手を妨げないための行為であれば、この限りではない。
この場合の走者のベースパス(走路)とは、タッグプレイが生じたときの、走者と塁を結ぶ直線をいう。

                    (2) 走塁放棄

 一塁に触れてすでに走者となったプレーヤーが、ベースラインから離れ、次の塁に進もうとする意思を明らかに放棄した場合。

                【原注】 走塁放棄以外の走者はインプレイ

 一塁に触れてすでに走者となったプレーヤーが、もはやプレイは続けられていないと思い込んで、ベースラインを離れてダッグアウトか守備位置の方へ向かったとき、審判員がその行為を走塁する意思を放棄したとみなすことができると判断した場合、その走者はアウトを宣告される。この際、たとえアウトが宣告されても、他の走者に関しては、ボールインプレイの状態が続けられる。 この規則は、次のプレイなどに適用される。

例:0アウトまたは1アウトで、同点の最終回、走者一塁のとき、打者が競技場の外へサヨナラ本塁打を打った。一塁走者は、二塁を過ぎてから、本塁打で自動的に勝利が決まったと思い込み、ダイヤモンドを横切って自分のベンチに向かった。この間、打者は本塁に向かって進んでいたような場合、走者は、〝次塁に進もうとする意思を放棄した〟という理由で、アウトを宣告され、打者走者は各塁を踏んで行って本塁打を生かすことが許される。もし、2アウト後ならば、本塁打は認められない(7.12参照)。これはアピールプレイではない。

例:走者が一塁または三塁で触球されてアウトを宣告されたと思い込んでダッグアウトに向かいだし、依然としてアウトだと思い込んでいる様子が明らかだと審判員が認めるのに適当な距離まで進んでいるときには、走者は進塁を放棄したという理由でアウトが宣告される。

                【注1】 走路とは

 通常走者の走路とみなされる場所は、塁間を結ぶ直線を中心として左右へ各3フィート、すなわち6フィートの幅の地帯を指すが、走者が大きく膨らんで走っているときなど最初からこの走路外にいたときに触球プレイが生じた場合は、本項(1)のとおり、その走者と塁を結ぶ直線を中心として左右へ各3フィートが、その走者の走路となる。

                【注2】

本項(1)の〝ただし〟以下は、野手が走者の走路内で打球を処理しているとき、これを妨げないために走者が走路外を走っても、アウトにならないことを規定しているものであって、打球処理後に触球プレイが生じたときには、本項(1)の前段の適用を受けることはもちろんである。

                【注3】 フォースの状態では走塁放棄を認めない

 フォースの状態におかれている走者に対しては、本項(2)を適用しない。

                7.08b 走者のインターフェア

 走者が、送球を故意に妨げた場合、または打球を処理しようとしている野手の妨げになった場合。

                【原注1】 故意かどうか関係ない

 打球(フェアボールとファウルボールとの区別なく)を処理しようとしている野手の妨げになったと審判員によって認められた走者は、それが故意であったか故意でなかったかの区別なくアウトになる。
 しかし、正規に占有を許された塁についていた走者が、フェア地域とファウル地域との区別なく守備の妨げになった場合、審判員がその妨害を故意と判断したときを除いて、その走者はアウトにはならない。審判員が、その妨害を故意と宣告した場合には次のペナルティを科す。
 0アウトまたは1アウトのときは、その走者と打者とにアウトを、2アウト後のときは、打者にアウトを宣告する。

                【注1】 打球を処理するとは

 〝野手が打球を処理する〟とは、野手が打球に対して守備しはじめてから打球をつかんで送球し終わるまでの行為をいう。従って、走者が前記のどの守備行為でも妨害すれば、打球を処理しようとしている野手を妨げたことになる。

                【注2】 走者よりも守備が優先

 走者が(6.05k:打者アウト)、(7.08a:走者アウト) 項規定の走路を走っていた場合でも、打球を処理しようとする野手の妨げになったと審判員が判断したときには、本項の適用を受けて走者はアウトになる。

                【問】

 1アウト走者三塁のとき、三塁に触れている走者が、三塁横に上がったファウルフライを捕らえようとする三塁手の守備の妨げになったので、三塁手は捕球できなかった。いかに処置すべきか。

                【答】

 その走者が故意に守備を妨げたと審判員が認めれば、その走者と打者にアウトを宣告する。

                【原注2】 妨害が発生した場合の他走者の進塁

 三塁本塁間で狭撃された走者が妨害によってアウトを宣告された場合には、後位の走者はその妨害行為発生以前に、たとえ三塁を占めることがあってもその占有は許されず、二塁に帰らなければならない。また二塁三塁間で挟撃された走者が妨害によってアウトになった場合も同様、後位の走者は一塁に帰らなければならない。妨害が発生した場合にはいずれの走者も進塁できないこと、及び走者は正規に次塁に進塁するまでは元の塁を占有しているものとみなされることがその理由である。

                【注】

 走者一塁三塁のとき三塁走者が三塁本塁間で挟撃され、妨害によってアウトを宣告された場合、一塁走者がその妨害行為発生以前に二塁を占めておれば、一塁走者には二塁の占有が許される。

                7.08c 触球

 ボールインプレイで走者が塁を離れているときに触球された場合。

                【付記1】 一塁のオーバーランは可

 打者走者が一塁に走るときは、直ちに帰ることを条件としてならば、オーバーランまたはオーバースライドして一塁を離れているとき触球されても、アウトにはならない。

                【付記2】 ベースが動いたとき1

 走者がいったん安全に塁に達した後、走者の衝撃で塁のバッグが定位置から離れたときは、その走者に対していかなるプレイもできない。

                【付記3】 ベースが動いたとき2

 あるプレイ中に塁のバッグまたはホームプレートが定位置から離れたとき、引き続いて、次の走者が進塁してきて、元の塁が置かれていた地点に触れるか、またはその地点にとどまれば、その走者は正規に塁に触れたもの、または正規に塁を占有したものとみなされる。

                【注1】 四球でも一塁のオーバーランは可

 フォアボールを得た打者が一塁に進むに際しては、直ちに帰ることを条件としてなら、一塁に触れた後走り越すことは許される。

                【注2】 触球後はボールを確実に保持

 野手が走者に触球しようとするときには、走者もアウトを免れようと、激しく触塁する場合が多く、野手と走者とが衝突した結果、野手がボールを落としたときは、触球後にボールを確実に保持していないことになるから、走者はアウトにはならない。また、野手が走者に触球した後も、これを確実に握っていなければならず、たとえボールを地上に落とさなくても、手の上でジャッグルなどした場合には、走者はアウトにはならない。野手が触球した後、どのくらい確保すればよいかは、一に審判員の判定に待つべきである。(2.15参照)

                7.08d 帰塁違反

 フェア飛球、ファウル飛球が正規に捕えられた後、走者が帰塁するまでに、野手に身体またはその塁にタッチされた場合。
 ただし、投手が打者への次の1球を投じてしまうか、または、たとえ投球しなくても、その前にプレイをしたり、プレイを企ててしまえば、帰塁をしていないと理由によって走者がアウトにされることはない。この場合は、アピールプレイである。

                【原注】 ファールチップは帰塁不要

 走者は、ファウルチップの際はタッグアップする必要はないから、盗塁することもできる。しかし、チップしたボールを捕手が捕えなかった場合は、ファウルボールとなるから、走者は元の塁へ戻らなければならない。

                【注】 帰塁しなければならない塁とは

 飛球が捕えられたとき、走者が帰塁しなければならない塁とは、進塁の起点となる塁、すなわち、投手の投球当時走者が占有していた塁を指す。

                7.08e フォースアウト

 打者が走者となったために、進塁の義務が生じた走者が次の塁に触れる前に、野手がその走者またはその塁にタッチした場合。(このアウトはフォースアウトである)
 ただし、後位の走者がフォースプレイで先にアウトになれば、フォースの状態でなくなり、前位の走者には進塁の義務がなくなるから、身体に触球されなければアウトにはならない。
 また、走者が塁に触れた後、余勢でオーバースライドまたはオーバーランした場合には、塁に触れた瞬間に進塁の義務を果たしたことになるから、その走者は身体にタッチされなければアウトにはならない。(このアウトはフォースアウトではなく、タッチアウトである)
 しかし、進塁の義務を生じた走者が次塁に触れた後、どのような理由にせよ、その塁を捨ててもとの塁の方へ離れた場合は、再びフォースの状態におかれるから、野手にその身体または進塁すべき塁にタッチされれば、その走者はアウトになる。(このアウトはフォースアウトである)

                【原注】 オーバースライドは二塁、三塁のみ

 オーバースライドまたはオーバーランは二塁及び三塁で起こり、一塁ではこの状態は起こらない。例えば、0アウトまたは1アウトで走者一・二塁もしくは、一・二・三塁とする。打球は内野手に飛び、その内野手はダブルプレイを試みた。一塁走者は二塁への送球より早く二塁に触れたが、オーバースライドした。ボールは一塁にリレーされ、打者はアウトになった。一塁手は、二塁走者が離塁しているのを見て二塁に送球してその走者をアウトにしたがその間に他の走者は本塁に入った。

                【問】

 これはフォースプレイか。打者が一塁でアウトになったとき、フォースプレイでなくなったのか。このプレイ中に、二塁で走者がアウトにされて第三アウトになる前に、本塁に入っていた走者の得点は認められるか。

                【答】

 フォースプレイではなく、タッチプレイであるから、得点は記録される。

                【注1】 フォースアウトの規定

 この項は、フォースアウトの規定であり、打者が走者となったために、塁にいた走者に進塁の義務が生じたときに、野手が、
  ①その走者が次の塁に触れる前に、その塁に触球した場合
  ②その走者が次の塁に触れる前に、その走者に触球した場合
  ③その走者が次の塁へ進もうとしないで、元の塁にとどまっているとき、その走者に触球した場合
を指し、特に③の場合は、自己より後位の走者がアウトにならない限り、その塁の占有権はすでに失われているから、たとえその走者が塁に触れていても、野手がその走者に触球すればアウトになる。(7.03b:塁の占有と進塁の項参照)

                【注2】 触塁の取り消し

 例えば、一塁走者が打球とともに走り出して、いったん二塁に触れた後、その打球が飛球として捕えられようとするのを見て、一塁へ戻ろうとしたとき、フライを落とした野手からの送球を受けた二塁手は、走者が再び二塁に達するまでに二塁に触球した。この場合、はじめに二塁を踏んだことは取り消され、フォースアウトと認めれらる。

                7.08f 打球に走者が触れる

 走者が、内野手(投手を含む)に触れていないか、または内野手(投手を除く)を通過していないフェアボールに、フェア地域で触れた場合。
 この際はボールデッドとなり、打者が走者となったため次塁への進塁が許された走者の他は、得点することも進塁することも認められない。(5.09f:ボールデッド、7.09k:打者または走者の妨害の項参照)
 インフィールドフライと宣告された打球が、塁を離れている走者に触れたときは、打者、走者ともにアウトになる。

                【例外】 インフィールドフライ時の例外

 インフィールドフライと宣告された打球が、塁についている走者に触れた場合、その走者はアウトにならず、打者だけがアウトとなる。

                【原注】 二人の走者が打球に当たっても最初の一人のみがアウト

 2人の走者が同一のフェアボールに触れたときは、最初に触れた1人だけがアウトになる。これは、打球が走者に触れたとき、直ちにボールデッドとなる。

                【注1】 故意かどうかを問わない

 打者の打ったフェアボールが、野手に触れる前に走者に触れたときは、走者が守備を妨害しようとして故意に打球に触れた場合(併殺を行わせまいとして故意に打球を妨害した場合を除く)と、走塁中やむなく触れた場合との区別なく走者はアウトになる。
 また一旦内野手に触れた打球に対して守備しようとする野手を走者が妨げたときには(7.08b:走者のアウト〜インターフェアの項)によってアウトにされる場合もある。

                【注2】 塁に当たった後のフェア打球

①内野手を通過する前に、塁に触れて反転したフェアボールに、走者がフェア地域で触れた場合、その走者はアウトになり、ボールデッドとなる。
②内野手を通過した直後に、塁に触れて反転したフェアボールに、走者がその内野手の直後のフェア地域で触れた場合、この打球に対して他のいずれの内野手も守備する機会がなかった場合に限り、打球に触れたという理由でアウトにはならない。

                【注3】 塁に当たった後のフェア打球2

 一度塁に触れて反転したフェアボールが、ファウル地域で走者に触れた場合は、その走者はアウトにはならず、ボールインプレイである。

                【注4】 〝塁〟の定義

 本項でいう塁とは飛球が打たれたときの投手の投球当時に走者が占有していた塁をいう。

                【注5】 インフィールドフライ時、打球が走者に当たるとボールデッド

 インフィールドフライと宣告された打球が走者に触れた場合は、その走者が塁についていてもいなくても、ボールデッドとなる。

                7.08g 走者が得点しようとした時、打者が守備妨害

 0アウトまたは1アウトで、走者が得点しようとしたとき、打者が本塁における守備側のプレイを妨げた場合。2アウトであればインターフェアで打者がアウトとなり、得点は記録されない。(6.06c:打者の反則、7.09a7.09c:打者または走者の妨害の項参照)

                【注1】 本塁における守備側のプレイとは

 ここにいう〝本塁における守備側のプレイ〟とは、野手(捕手も含む)が、得点しようとした走者にタッチしようとするプレイ、その走者を追いかけてタッチしようとするプレイ、及び他の野手に送球してその走者をアウトにしようとするプレイを指す。

                【注2】 適応外事項1

 この規定は、無死または1死で、走者が得点しようとした際、本塁における野手のプレイを妨げたときの規定であって、走者が本塁に向かってスタートを切っただけの場合とか、一度本塁へは向かったが途中から引き返そうとしている場合には、打者が捕手を妨げることがあっても、本項は適用されない。
 例えば、捕手がボールを捕らえて走者にタッチしようとするプレイを妨げたり、投手が投手板を正規に外して、走者をアウトにしようとして送ったボール(投球でないボール)を打者が打ったりして、本塁の守備を妨げた場合には、妨害行為を行った打者をアウトにしないで、守備の対象である走者をアウトにする規定である。

                【注3】 適応外事項2

 本項は、本塁の守備を妨げたのが打者であった場合に限って適用されるのであって、打撃を完了して打者から走者になったばかりで、まだアウトにならない打者が妨害を行ったときには適用されない。例えば、スクイズバントをした打者が、バントした打球に触れるかまたは打球を処理しようとする野手の守備を妨げたために、三塁走者が本塁でのアウトを免れることになったような場合には、打者はすでに走者となっているから6.05g7.08bによって、その打者走者がアウトとなり、ボールデッドとなって、三塁走者を投手の投球当時すでに占有していた塁、すなわち三塁へ帰らせる。
 打者が第3ストライクの宣告を受けただけで、まだアウトにならないとき、及び四球の宣告を受けたときの妨害に関しては、(7.09a【注】:打者と打者走者の妨害の違い)に示されている。

                7.08h 走者の追い抜き

 後位の走者がアウトとなっていない前位の走者に先んじた場合。(後位の走者がアウトとなる。)

                【注1】 安全進塁権施行中も適応される

 ボールインプレイ中に起きた行為(例えば、悪送球、ホームランまたは柵外に出たフェアヒットなど)の結果、走者に安全進塁権が認められた場合にも本項は適用される。

                【注2】 常に後走者がアウト

 この項は走者の位置が入れ代わったときに、後位の走者をアウトにすることを意味する。例えば二塁の走者を甲、一塁の走者を乙とすれば、一塁走者乙が二塁走者甲を追い越したときはもちろん、逆走の際など、二塁走者甲が一塁走者乙を追い越す形をとって、本来本塁から遠くにあるべき乙と近くにあるべき甲との位置が入れ代わった場合でも、常に後位の乙がアウトになることを規定している。

                7.08i 悪意のある逆走

 走者が正規に塁を占有した後に塁を逆走したときに、守備を混乱させる意図、あるいは試合を愚弄する意図が明らかであった場合。
 この際、審判員は直ちにタイムを宣告してその走者にアウトを宣告する。

                【原注】

 走者がまだ占有していない塁に到達した後、飛球が捕らえられたと思ったり、元の占有塁に帰るようにおびき出されて元の塁に帰ろうとした場合、途中で触球されればアウトになる。しかし、元の占有塁に帰りついたら、その塁についている限り、触球されてもアウトにならない。

                【注】 打者走者の逆走

 例えば、1ゴロを打った打者が一塁手の触球を避けようとして、側方に離れて走らない限り、逆走するようなことは差し支えないが、本塁に達するとアウトになる。

                7.08j 一塁オーバーランでの触球

 走者が一塁をオーバーランまたはオーバースライドした後、直ちに一塁に帰塁しなかった場合。
 一塁をオーバーランまたはオーバースライドした走者が、二塁へ進もうとする行為を示せば、触球されればアウトになる。
 また一塁をオーバーランまたはオーバースライドした走者が、直ちに帰塁しないで、ダッグアウトまたは自己の守備位置に行こうとした場合も、野手が走者または塁に触球してアピールすればアウトとなる。

                【原注】 タイムプレイ

 2アウト後、一塁に触れてオーバーランしたが、審判員によって〝セーフ〟の宣告を受けた打者走者は、規則 4.09a を適用する上では、〝一塁に達した〟ことになり、〝ただちに〟一塁に帰塁しなかったために第三アウトになっても、このプレイ中にアウトより先に本塁に達していた走者は、得点として認められる。

                7.08k 本塁での空過

 走者が本塁に走り込むか、または滑り込んだ際に、本塁に触れないで、しかも本塁に触れ直そうとしないときに、野手がボールを持って本塁に触れて審判員にアピールした場合。(7.10d:アピールアウト参照)

                【原注】

 本項は、本塁に触れなかった走者がベンチに向かっており、アウトにするためには捕手がその走者を追いかけなければならないような場合に適用される。本塁を踏み損ねた走者が、タッチされる前に踏み直そうと努力しているような普通のプレイが行われているときには適用されない。この場合には、走者は触球されなければアウトにならない。

                7.08L 走者以外の攻撃側メンバーによる守備妨害

 走者を除く攻撃側チームのメンバーが、ある走者に対して行われた送球を処理しようとしている野手の守備を妨害した場合。(7.11参照。走者による妨害については7.08b参照)