7.04 走者の安全進塁権

            7.04 走者の一個の安全進塁権

 次の場合、打者を除く各走者は、アウトにされるおそれれなく1個の塁が与えられる。

                7.04a ボーク

 ボークが宣告された場合。

                7.04b 打者が走者となり、塁を明け渡さなければならない時

 打者が次の理由で走者となって一塁に進むために、その走者が塁を明け渡さなければならなくなった場合。
 (1)打者がアウトにされるおそれなく、一塁に進むことが許された場合。
 (2)打者の打ったフェアボールが、野手(投手を含む)に触れる前か、または野手(投手を除く)を通過する前に、フェア地域で審判員もしくは他の走者に触れた場合。

                【原注】 安全進塁権以上の進塁

 安全進塁権を得た走者が、与えられた塁に触れた後さらに進塁することは差し支えないが、その行為の責任はその走者自身が負うだけで、たとえ与えられた塁に触れた後にアウトになった場合でも、他の走者の安全進塁権に影響を及ぼすことはない。
 したがって、2アウト後その走者が与えられた塁に触れた後にアウトになり、第3アウトが成立しても安全進塁権がある前位の走者は、そのアウトの後で本塁を踏んでも得点として認められる。
例ーー2アウト満塁、打者四球、二塁走者が勢い込んで、三塁を回って本塁の方へ向かってきたが、捕手からの送球で触球アウトになった。たとえ2アウト後であっても四球と同時に三塁走者が本塁に押し出されたので、すべての走者に次塁へ進んで触れる必要が生まれたという理論に基づいて得点が記録される。

                【注】

 本項【原注】は、打者が四球を得たために、塁上の各走者に次塁への安全進塁権が与えられた場合だけに適用される。

                7.04c 野手が飛球を捕球後にダッグアウトに倒れ込んだ場合

 野手が飛球を捕らえた後、ベンチまたはスタンド内に倒れ込んだり、ロープを越えて観衆内(観衆が競技場内まで入っているとき)に倒れ込んだ場合。

                【原注】

 野手が正規の捕球をした後、スタンド、観衆、ダッグアウト、またはその他ボールデッドの箇所に倒れ込んだり、あるいは捕球した後ダッグアウトの中で倒れた場合、ボールデッドとなり、各走者は野手が倒れ込んだときの占有塁から1個の進塁が許される。

                7.04d 走塁を企てた時の打撃妨害

 走者が盗塁を企てたとき、打者が捕手またはその他の野手に妨害(インターフェア)された場合。

                【注】 走塁を企てていない時の打撃妨害では安全進塁権は無い

 本項は盗塁を企てた塁に走者がいない場合とか、進もうとした塁に走者がいても、その走者も共に盗塁を企てていたために次塁への進塁が許される場合だけに適用される。しかし、進もうとした塁に走者があり、しかもその走者が盗塁を企てていない場合には、たとえ盗塁行為があってもその走者の進塁は許されない。また単に塁を離れていた程度では本項は適用されない。

                7.04e 野手が投球にグラブ等をぶつける

 野手が帽子、マスク、その他着衣の一部を本来つけている箇所から離して、投球に故意に触れさせた場合。
 この際はボールインプレイで、ボールに触れたときの走者の位置を基準に塁が与えられる。

                【7・04付記】

  ボールインプレイのもとで1個の塁に対する安全進塁権を得た走者が、その塁を踏まないで次塁へ進もうとした場合、および2個以上の塁に対する安全進塁権を得た走者が、与えられた最終塁に達した後はボールインプレイになる規則のもとで、その塁を踏まないで次塁へ進もうとした場合は、いずれもその走者は安全進塁権を失ってアウトにされる恐れがある状態におかれる。したがって、その進むことが許された塁を踏み損ねた走者は、その空過した塁に帰る前に、野手によってその身体またはその塁に触球されれば、アウトとなる。

                【注】

 例えば、打者が右中間を抜こうとするような安打を打ったとき、右翼手が止めようとしてこれにグラブを投げつけて当てたが、ボールは外野のフェンスまで転じ去った。打者は三塁を空過して本塁へ進もうとしたが、途中で気がついて三塁へ踏み直しに帰ろうとした。この際、打者はもはや三塁へ安全に帰ることは許されないから、その打者が三塁に帰る前に、野手が打者または三塁に触球してアピールすれば、打者はアウトになる。(7.05c:打者、走者の安全進塁権の項参照)